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最高裁判所第二小法廷 昭和29年(オ)802号 判決 1956年4月27日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人新崎武外の上告理由第一点について。

本件手形が、昭和二五年一一月一七日甲三号証の約束手形に書き替えられたことは、原判決の確定するところであるけれども、右手形書替の目的は本件手形の支払延期のためであり、本件手形は右新手形の見返り担保とする意味でこれを回収しなかつたものであることは、また、原判決の確定するところである。とすれば、右書替のために本件手形がその効力を喪うことのないことは原判示のとおりであつて、論旨はこれを採用することはできない。

同第二点について。

論旨は、前示手形の書替が、本件手形の支払延期のためになされたものであるとの原判決の事実認定を争うに帰着するのであつて、適法な上告の理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)

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